ハルシオン

うつ病になって数年、とても苦しい日がたくさんありますが、少しずつ良くなっています。
僕がどういう経緯で発症したか、症状の経過やその時の心情などを小説形式で綴っていきたいと思います。尚多少のフィクションは入っていますが、感じた気持ちなどはノンフィクションです。

ハルシオン


どうしてだろう。わからないんだ、いつからだろう。
全てが狂ってしまったのか。僕が悪いのか。
いつからだろう、本当に地獄だった。
あがいてもあがいても抜け出せなかったんだ。
僕の頭の中にはいつもアリジゴクにはまるアリの映像が浮かんだ。
僕は明らかにアリなのに。外側から自分を客観視しているような。
そんな気分だった。


朝、いや違うもう昼過ぎか。
目が覚めると遮光カーテンの外に太陽がかんかんと昇っていた。
時計を見ると14時過ぎ。
「だいぶ寝たな。」
昨夜は午前3時に床に入ったから、だいぶ寝た。
だけど僕の体は軋んでいる。
二三度大きく伸びをすると体中の関節がぽきぽきとなった。
眠剤の効果がまだ残っているのか、あくびが出る。
「やっぱりビールで薬を飲んだのがいけなかったかな」
四種の薬に500ミリリットルのビール。
それが僕の昨夜の夕飯代わりだった。
数年前から僕は急に夜、自力で眠ることができなくなった。
それが、すべての始まりだった。


僕は高校三年生だった。
高校は近所では少し有名な私立の進学校だった。
僕は成績が良かった。日々の小テストはもちろんのこと、学期末テストでも割とよくできていたほうだと思う。自分なりにも頑張っていた。
ちょうど受験生になり志望の学校だってすでに決まっていたんだ。
この高校に入学して間もなく、僕はすぐに志望大学を決めた。
それだけ、行きたかった。
勉強したいことがたくさんあった。
新しい大学生活での希望、将来への自信があった。
4月、僕は学校が終わるとすぐに図書館へ向かい、閉館時間まで勉強をして帰るようになった。
多少は疲れるけれど、その疲労感がまた何とも言えない自信につながった。5月6月と僕は順調に”受験生“としての生活をこなしていった。