ハルシオン

うつ病になって数年、とても苦しい日がたくさんありますが、少しずつ良くなっています。
僕がどういう経緯で発症したか、症状の経過やその時の心情などを小説形式で綴っていきたいと思います。尚多少のフィクションは入っていますが、感じた気持ちなどはノンフィクションです。

ハルシオン5

確かに。本当に僕は怠けすぎていた。
何もしていないのだから。クラスメイトが学校に行って、予備校に行って、家に帰って、勉強している間も、僕は何もしていなかったのだから。
そして僕は母を避けるようになった。


食欲も減り、眠ることもできず、僕は一日中頭の中が空っぽだった。
すごく悲しかった。すごく悔しかった。すごく寂しかった。すごくむかついた。
でもそれらの感情の矛先が、何であるかがわからなかった。
泣きたいのに、涙が出なかった。


あまりの僕が微熱微熱と理由をつけて休むものだから、
母は内科に行ってよく効く薬でももらってきなさいといった。
僕は近所の内科へ行った。


「今日はどうしたの。」
「微熱が続いてて」
「いつから?」
「いや、もう一か月、うーん、それくらい前からです。」
「あとは何かある?」
「片耳が聞こえにくくなったりとか?」
「ほかには?」
「関節が痛かったり、何もする気が起きなくて。」
「わかった。」


「自律神経が乱れちゃっているね。」


自律神経自律神経。
僕はすぐにスマートフォンで検索した。
医者からはっきりと病名は言われなかったが、自律神経の乱れのおかげで
僕の体中が不調なこと、眠れないのもそのせいだといわれた。
自律神経失調症か。そういうことだったのか。
こんな病気もあるんだな。でも、僕の子の不調に病名があってよかった。
病名が分かれば治療ができるんだな。
このときは少し安心した。